こだわりの土づくり
春友ぶどう園の土作りと地球と自然にやさしい循環型農業の取り組み
農業の基本であり、永遠のテーマそれが土作り。
下農は草をつくり、中農は作をつくり、上農は土をつくる。
まさに土作りは農業にとって、とても重要な作業であると同時にとても労力と時間を要する大変な作業なのです。そのために現在では化学肥料を使用したり、有機肥料と化学肥料の複合が土づくりの主流なのです、また本来有機物にも二種類あり、たい肥(植物性の肥料分の少ない)と厩肥(肥料分の多い家畜の糞)の二つにしかりと区別をして分けられていましたが、今では厩肥もたい肥として表示していることがほとんです、そのため現在ではたい肥を使用していると言っても厩肥である場合も多いのです。肥料分の多い厩肥は有機としては肥料しての性質が強く、肥料として用いる分には素晴らしく効果を発揮しますが、土づくりや土の物理性の改善といった点ではたい肥と比べると劣るのです。
そのため、春友ぶどう園では肥料分(窒素)のきわめて少なく炭素多い土づくりを目的とした、たい肥をたくさん作っています。たい肥の原料として使用しているものは、木の葉、もみ殻、わら、草、米ぬか、炭、などで、原料の段階から自分の目で見て、厳選した物を自分で運んでいます。これらすべてを混ぜ合わせ、100%植物からつくられています。
たい肥として完成するまでに、年間30回以上切り返しの手間をかけ1年半以上の時間をかけて完熟させた正真正銘本物のたい肥なのです。
手間を惜しまず、じっくり、じっくりと時間をかけて自分でつくったからこそ、大切なぶどう樹に自信を持って使うことできるのです。
たい肥を切り返しているところです、まめにこの作業をすることで、たい肥のなかに酸素が送り込まれ、微生物クン達が元気よく活動してくれます。微生物が活発に活動していますのでたい肥は高温で発酵し、完熟たい肥へと向かいます。
このたい肥にはたくさんの微生物クン達が元気に活動しているので、このたい肥を畑にいれると土がとってもふかふかになったり、病気に強くなったり、ぶどうの樹がすくすく 成長したり、品質が良くなたっりと、元気な土作りには欠かせません!
肥料として使っているものは、大豆、油粕、カニがら、魚粕などを、独自の比率でブレンドしています、これを樹齢や使用台木、品種、畑の土の状態、気象条件、昨年何グラム施肥したかなどを配慮して、一本、一本、適切な量をきめてまいていきます。
右の写真はおいしそうな肥料のにかおりをかぎつけたうちのわんこのランちゃん。人が食べるものだったり、食糧加工品の残りだったりと近所の猫やうちのわんこ達も密かに好物で、肥料をまいてすぐは人の目を盗んでつまみ食いしてます。
いざ勝負
ぶどうの苗木を植えようと、植え位置を掘りはじめると、すぐにカッチと音が…すぐさま石を退かそうと周りの土をどけながら掘って掘って掘りまっくり出てきた石は高さ1.8m幅2mの巨大なおにぎりのような石が姿を現しました、さすがにこの大きさには尻込みしましたが、この場所は畑の図面を書いて苗木の植え位置をきっちり計算してわりだしたので場所はずらすことはできない…ならばこの石を破壊して持ち出さねば、ハンマーとノミを持ち出しカッチンカッチンと岩との戦い、まさに絶対に負けられない戦いがここにはあったのです。一週間の激闘のすえ全ての石を運び出し戦いの幕は閉じたのでした。
この穴をたっぷりの自家製たい肥と炭を入れて埋め戻して極上のふかふかの土の上に無事苗木を植えることができました。
春友ぶどう園の土作りは石をも砕く、そこに一切の妥協はなしです。
ぶどうの枝も炭にします。
剪定したぶどうの枝と山の間伐した木の薪にならない細い枝を炭にします。
炭にはたくさんの穴があいています、これは植物が水や養分を運ぶ管や細胞の形が残っているためなのです、つまりミクロン単位の非常に小さいパイプを束ねた構造をしているために水や酸素、ミネラルを取り込むことができるのです。
そのため、土壌中の水分や空気の調整など物理性効果による土壌改良やミネラルの供給効果、土のなかの生物の多様化の促進など様々な効果があるのです。
そのため、毎年冬の仕事としてに炭焼きをします、その量は2トントラック2~3台分になります、これらの炭をぶどうの畑はもちろんのこと、野菜の畑や田んぼや山などに入れることによってミネラルたっぷりの土ができるのです。